しっぷ・あほうい!

或る日のライブラリアンが綴るあれやこれや

2007-08-01から1ヶ月間の記事一覧

<本日の英パン発見> 山本嘉次郎『カツドウヤ自他伝』(昭文社、1972年) 英パンとプロダクションを立ち上げたこともある山本嘉次郎については、以前の日記*1でも取り上げたけれど、これはその『カツドウヤ紳士録』(大日本雄弁会講談社、1951年)と『カツ…

週末記。 朝からアスファルトに日が照りつけて真っ白に見えるほど眩しい。 黒いリボンの付いたつばの広い麦藁帽子を目深に被っておもてへ出る。 企画展をやっていないのでがらんとした国立近代美術館にて、いつ観ても素晴らしい常設展示(長谷川利行「新宿風…

<本日の英パン発見> 碧川道夫著・山口猛編『カメラマンの映画史 碧川道夫の歩んだ道』(社会思想社, 1987年) 市川崑『東京オリンピック』(1965年)では技術監督をつとめ、義弟・内田吐夢と組んで『限りなき前進』(1937年)や『土』(1939年)を送り出し…

夏休み中は椅子の上に堆く積み上げられていた古本の山を整理して、映画(山中貞雄『丹下左膳余話 百萬両の壺』『人情紙風船』ニコラス・レイ『暗黒街の女』ウディ・アレン『アニー・ホール』)と美術館(東京藝術大学大学美術館「金刀比羅宮 書院の美 応挙・…

岡田桑三=山内光のこと その弐 母の教会人脈がもたらした岡田桑三の豊かな文化環境については、本当に羨ましくなるほどに様々な出会いがあるのだけれど、特に個人的に興味深かったのが大橋家(横浜弁護士会会長・大橋清蔵とその妻・繁子、養女の房子)をめ…

岡田桑三=山内光のこと その壱 岡田時彦『春秋満保魯志草紙』(昭和3年、前衛書房)に「Monsieur Camouflage」なる文章がある。 其の僕を称して、俗に能書屋桑兵衛と號する山内光が一言以てMonsieur Camouflageと云った。(中略)此の點山内光が云ったムシ…

[book]

<本日の英パン発見> 『洋酒天国』51号(洋酒天国社, 昭和三十六年) えー、開高健の『洋酒天国』の目次に、あら、岡田時彦の名前が、はてな?と思って、いそいそとこの号を取り寄せてみたら、なるほどこういうことだったのね。 おくればせながらリバイバル…

夢の記憶、記憶の夢 首筋をじりじりと照りつける午後の強い日射しが、放課後の乾き切った砂埃の立ち上る校庭の何もかもを白い白い光で包む頃、植物の本能が鬱陶しくなるほどにびっしり色濃く葉を付けた桜の枝が陽光に向かって大きく迫り出すので、あんなにも…

何て蒸し暑い一日! すんでのところで出かけるのを止めようかと思ったけれど、あとで後悔するのが目に見えているから、今日もシネマヴェーラで清水宏『簪』『暁の合唱』(1941年)の二本を観る。『簪』は例によって斉藤達雄(ちょっぴり偏屈な学者先生といっ…