しっぷ・あほうい!

或る日のライブラリアンが綴るあれやこれや

2015-01-01から1年間の記事一覧

お知らせ3つ

黄金週間のあいだに参加した冊子が刊行されたのでそのお知らせです。まずは、真治彩さん編集の『ぽかん』05号で附録の「ぼくの百」を担当しました。大切な本を100冊選んでよい、という読書する人間にとっては夢のような企画。拙い文を林哲夫さんの大へん素敵…

花見散歩

日曜日、東京のソメイヨシノが満開との報。15時頃から雨が降るともいうので、午前中のうちにいそいそと支度して散歩に出掛ける。東京女子大学の構内に、花桃と思しき白い花が枝にみっしりとつらなって咲いている。満開の八重咲きの白。遠目だと少しさみしい…

方法はいろいろでも、一見つじつまがあわないようでも、それは、未知の幾何学のように、揺るぎない論理にしたがっている。それは、直感では理解できても、合理的な順序で表現したり、理由づけをすることは不可能な、なにか、だった。彼は思った。ものにはそ…

ジュリアン・グラック『ひとつの町のかたち』を読む

お正月休みに、ジュリアン・グラック『ひとつの町のかたち』(書肆心水、2004年)を読んだ。 北村太郎がじしんのことを「街っ子」と呼んでいたように、わたしもまたじぶんを「街っ子」であると思っている。帯文の「少年と町」というのはわたしの好物であるの…