しっぷ・あほうい!

或る日のライブラリアンが綴るあれやこれや

2009-05-01から1ヶ月間の記事一覧

週末つれづれ記: 先週の新文芸座での小津安二郎特集では、無事に岡田時彦主演の映画を二本鑑賞することができ、ほっとしているところ。改めて見直してみると『淑女と髯』(1931年)は傾向映画すれすれの危なっかしさ(字幕や脚本には無いものの髭面のマルク…

楽しみなこれから出る本: ・コレクション・都市モダニズム詩誌 全15巻(ゆまに書房) http://www.yumani.co.jp/np/isbn/9784843328774 『Cine』が見たいので愛知県立図書館に行くかなーと思っていたところにこれは嬉しい。 ・キネマ旬報(1927〜1940年)復…

映画メモ:小津安二郎のモダニズム 新文芸座で小津安二郎特集がはじまっているというのに、雑務に追われてなかなか行けなかったのを、これだけは!と休みを取って観に行く。小津作品はしょっちゅう何処かで上映されているけれど、サイレント時代の作品は『生…

京阪神遊覧日記その三:大雄寺へ山中貞雄のお墓参りにゆく 阪急電車に揺られて京都へゆく。京都、ああ、ご無沙汰の京都....!こんなに好きな土地なのに三年振りである。京都の地に降り立つだけで嬉しくてそわそわ、三条のホテルにさっさと荷物を預けて、いざ…

京阪神遊覧日記その二:「けれども三昧」ー待兼山で『大大阪観光』(1937年)を観る 二日目は駆け足での大阪観光であった。阪急宝塚線に乗って、大阪大学総合学術博物館にて開催中の《昭和12年のモダン都市へ 観光映画「大大阪観光」の世界》を観に行く。成…

京阪神遊覧日記その一:神戸アカデミー・バーつれづれ 二年越しで訪問を心待ちにしていた1922年創業のバー・アカデミーにようやくゆくことができた。「つたのからんだ ある ふるい」小屋という感じの、つやつやした初夏の若草色の蔦に覆われたその建物は、バ…