しっぷ・あほうい!

或る日のライブラリアンが綴るあれやこれや

2009-06-01から1ヶ月間の記事一覧

日曜日、第33回西荻ブックマーク「『昔日の客』を読む〜大森・山王書房ものがたり〜」に参加する。ここだけの話(?)私小説にはさほど興味がなく、上林暁、尾崎一雄、木山捷平、野呂邦暢など名前しか知らず読んだこともない(うわーすみません......)のだ…

「アリストテレスの後裔」のこと 全集未収録のエッセイとして『詩神』(1931年7月号)に掲載されたアンケート「この人・この本」によると、尾崎翠が「会ったことで会ってみたい人」として「アリストテレスの後裔」と答えている。「アリストテレスの後裔」だ…

今夜の月はイナガキ・タルホ氏が腰掛けていそうな山吹色の三日月だ。 Ode to the Moon/稲垣足穂月はいいな! 泣かないし笑はないし いやに熱つぽくもないし ハイカラで美人だし 学者だし いつも孤独で新らしいのだし さうして同時に東洋的で西洋的の この品…

尾崎翠の新世紀ふたたび: KAWADE道の手帖『尾崎翠 モダンガアルの偏愛』*1(河出書房新社, 2009)を送っていただいた。木村カナさん、河出書房のSさん、どうもありがとうございます。 この本は、今年の3月に日本近代文学館で開催された尾崎翠シンポジウムが…

ユキや 先月の25日に実家のユキが死んだ。 長毛の白い毛並にところどころ黒の斑を付けて、少し緑がかったマスタード色の眼をした、とても人なつこい猫だった。年老いる前はぴんと張った立派な髭を生やした頬が、木の実を詰め込んだ冬眠前のリスのようにまあ…