しっぷ・あほうい!

或る日のライブラリアンが綴るあれやこれや

2007-05-01から1ヶ月間の記事一覧

映画保存協会「映画の里親プロジェクトPR映像」 http://www.filmpres.org/archives/138 斎藤寅次郎『モダン怪談 100,000,000円』(1929)、川浪良太、滝澤英輔、久保為義『学生三代記 昭和時代[マキノ・グラフ版]』(1930)、牛原虚彦『海浜の女王』(1927)の復元…

そして、本命の蓮實重彦・山根貞男編『国際シンポジウム溝口健二 没後50年「MIZOGUCHI 2006」の記録』*1。昨年の8月に、このシンポジウムのために来日したビクトル・エリセの、あまりにも感動的な溝口作品にまつわるエピソードの切れ端をウェブ上で目にして…

先日の金井久美子さんの展示で観た「『裁かるるジャンヌ』へのオマージュ」が目に焼き付いて離れず(あの7インチレコードは何処から来たのだろう?Cahiers du Cinemaのおまけか何か?)、ちょうど今週はアテネフランセにて「映画の授業」がかかっていて、今…

来たるべき来月の演劇博物館*1訪問に備えて、『古川ロッパ昭和日記・戦前篇 昭和9年ー昭和15年』を読み始める。 ロッパは名文家だなあ、と思う。短い簡潔な文章の中には心地好いリズムがある。わたしの大好きな「駕籠屋コンビ」*2であるところの、渡辺篤とサ…

『こほろぎ嬢』(浜野佐知, 2006) 下北沢シネマアートンという、階段を上ってゆくと、こほろぎ嬢の住んでいた「二階の借部屋」のような薄暗い小さな映画館ーそこはまさしく翠の映画を上映するのにうってつけの場所といった雰囲気!ーで『こほろぎ嬢』を観る…

金井美恵子・金井久美子『楽しみと日々』(平凡社) 新刊が出ると迷わずレジへ直行してしまう現役作家*1というのは、わたしの場合は金井美恵子だけなので、今回も本屋で赤い字を見つけて、わーいと喜び、家へ帰って嬉しさに心躍らせながら、早速、本を開く。…

阪神間遊覧日記・その3 ・阪急電車に乗って芦屋へゆく 今回の旅ですっかりお気に入りとなってしまった大阪の街だけれど、何と言っても阪急電車に恋をした。 ああ、阪急電車。何て愛らしい電車なのでしょう!一目であの、小豆色にクリーム色のお屋根に、真四…

阪神間遊覧日記・その2 ・中之島界隈は私の『近代大阪』 「小津ごっこ」ができる*1ダイビルを出て、中之島界隈へ。阪神高速環状線がカーブを描く下を、堂島川と土佐堀川がゆったりと流れ、途中いくつも橋が架かっている。どっしりと構える日本銀行を背に淀屋…

阪神間遊覧日記・その1 ・ダイビルと大大阪のプラトン社 1920年代〜30年代のモダン都市文化に俄然夢中な今、こんなにぴたりとくる展示があるならば、ええい、大阪へでも何処へでも行かねばならない!と矢鱈に一人盛り上がって、そそくさと阪神間行きを決めて…