しっぷ・あほうい!

或る日のライブラリアンが綴るあれやこれや

2011-09-01から1ヶ月間の記事一覧

原子朗編『大手拓次詩集』(岩波文庫、1991年)を読む。うっとりするような、きれいな日本語。薔薇や香料をモティーフにした詩がたくさんある。「とび色の歌」「言葉の香気」「指の群」「日食する燕は明暗へ急ぐ」「鋏で切りとつた風景」などの散文詩もとて…

24日から東京を離れてしまうので、港の人主催の「かまくらブックフェスタ」に行けないのがほんとうに残念!

机上の灯台 ノウゼンカズラの杏色の花は落下し、百日紅と芙蓉はまだたくさん咲いている。この前見たときはまだムラサキシキブの小さな実は色づいていなかったのに、今日はもうだいぶ薄紫色に変わっていた。 まっさおさおな高い空なので、日傘くるくるまわし…

われらの獲物は一滴の光:詩集『雷滴』平出隆*1 颱風の余波で風が荒れ狂っているのでおとなしく蟄居していた週末の日、郵便配達夫が透明なかごにくるまれた、じつに著者「二十四年ぶり」の新詩集『雷滴』を届けてくれた。 玉虫の翅のように美しい布張りの函…