しっぷ・あほうい!

或る日のライブラリアンが綴るあれやこれや

2008-06-01から1ヶ月間の記事一覧

週末記。日本近代文学館(http://www.bungakukan.or.jp/)に「生きた、書いた 女性文学者の手紙展」を観に行く。駒場東大前の駅からいつも花水木の道をてくてく歩いてゆくのは気持ちがよい、のだけれど、あいにくその日は「曇り」という天気予報が外れて、陽…

衣巻省三『詩集 足風琴』(ボン書店、昭和九年) ボン書店で刊行された本を読んでみたいと思って図書館で借りてきた。英パンが死んだ年の夏に刊行された本。著者の衣巻省三は稲垣足穂の級友だったそう。竹中郁もそうだけれど、気になるなあ、神戸モダニズム…

来月の下旬からはじまるぴあフィルムフェスティバル、招待作品は前から観てみたかったダグラス・サーク特集と聞いて張り切ってプレオーダーでチケット取った(ら、なんか謎なお金がたくさん計上されて嫌でした.....)のですが、いったいどの作品を観たらいい…

映画メモ: 土曜日、神保町シアターにて五所平之助『新道[前後篇]』(松竹大船、1936年)を観る。通俗小説の大御所・菊池寛原作で、佐分利信・上原謙・佐野周二の二代目松竹三羽烏が出演しているメロドラマ、主演は田中絹代と川崎弘子。五所福之助による美…

Her Little Red Book 南天堂繋がりで内堀弘『石神井書林日録』(晶文社)を読んで、もう何年も前から読もうかどうかつらつら考えてそのままになってしまっていた『ボン書店の幻 モダニズム出版社の光と影』(白地社、1992年)*1をようやくここへ来て読む。後…

南天堂つれづれ 四月の終わりに、森まゆみ『断髪のモダンガール』と扉野良人『ボマルツォのどんぐり』を立て続けに読んでいたら、白山上の南天堂のことが出てきたので、ああ、そうだった、南天堂!といつものパタンでにわかに気になり出して、それからほどな…

University of Hawaii Press*1より、松竹蒲田(1920-1936)の映画について書かれたという何と言う画期的な本!もーう、日本の映画研究者の皆さん、先越されてますよ、とか、ついまたいらんことを言いたくなってしまうような、個人的には待ってましたッ!なモ…

成瀬巳喜男『鶴八鶴次郎』(1938年、東宝) 今までフィルムで観る機会が幾度となくあったにもかかわらず、どうも予定が合わずに見逃し続けてきた作品をようやくフィルムセンターにて観る。東宝だから「監督 成瀬巳喜男」じゃなくて「演出・脚色 成瀬巳喜男」…

金曜日、アテネフランセにて成瀬巳喜男『君と別れて』『夜ごとの夢』(松竹蒲田、1933年)を観る。 『君と別れて』については、2月の金井美恵子+井口奈己トークショーの時にもその名前があがっていて(id:el-sur:20080201)いつかきっと観たいナアと思って…