しっぷ・あほうい!

或る日のライブラリアンが綴るあれやこれや

2009-09-01から1ヶ月間の記事一覧

フィルムセンターにて上映中だった『生誕百年 映画監督山中貞雄』が終わったのでメモ。 山中貞雄が学生時代に使用していた辞書の左隅の小さな余白に「パラパラ漫画」は描かれていた。おお!馬が川を越えて走って行く、ピクトグラムのような人が刀を交えてそ…

「神戸詩人事件」とその周辺: 足立巻一『親友記』(新潮社、1984年)*1 「神戸詩人事件」についても書きたい、とか何とかいばってはみたものの、わたしは「神戸詩人事件」について、ほとんど何も知らないのだった。唯一、わたしの教科書であるところの、中…

モダニズムいわれるのがきらいやねんけど: 季村敏夫『山上の蜘蛛 神戸モダニズムと海港都市ノート』(みずのわ出版、2009年)*1 扉野良人『ボマルツォのどんぐり』経由で、寺島珠雄『南天堂 松岡虎王麿の大正・昭和』に出逢い、内堀弘『ボン書店の幻』を読…

九月十七日は山中貞雄の命日なので、フィルムセンターで開催中の「生誕百年 映画監督山中貞雄」(http://www.momat.go.jp/FC/NFC_Calendar/2009-9/kaisetsu.html)にて『海鳴り街道』(1936年、日活京都)『大菩薩峠 甲源一刀流の巻』(1935年、日活京都)を観る…

冨士原清一のこと: 夏の終わりに立ち寄った古書展にて購入した、鶴岡善久編『モダニズム詩集 I』(思潮社、2003年)を読んでいたら、1944年に南洋の島で戦死した冨士原清一の詩が載っていて、それがとても気に入る。何と言うか、透明できらきらしているんだ…

田中栞さんの『書肆ユリイカの本』(青土社)*1刊行記念トークショーに予約した。楽しみ。 「書肆ユリイカの本、人、場所」 出演 奥平晃一(田村書店店主)×郡淳一郎(元・青土社『ユリイカ』編集長、校閲者)×田中栞 日時:2009年10月5日(月)18:00開場 18…