しっぷ・あほうい!

或る日のライブラリアンが綴るあれやこれや

2007-07-01から1ヶ月間の記事一覧

映画のあとは、東急東横線に乗って、長いことの念願かなって学芸大学のマッターホーンに行く。ああ!本当に長いことずっと行きたかったのに、ようやく行けた。鈴木信太郎画伯によるサーモンピンクの愛らしい包装紙ととぼけたような人形が描かれた缶を手に入…

今週末もシネマヴェーラで映画鑑賞からスタートする暑い一日、今日は清水宏の『不壊の白珠』(1929年)英語字幕版。なんでもチェコの映像所にて当時の指定に即しての復元版ということで、まるでセピア色の写真に彩色したお土産ものの絵葉書のような画面に、…

清水宏『恋も忘れて』(1937年・松竹大船) 溜池のダンスホール、フロリダでナンバーワン・ダンサーだった「ミッチー桑野」こと桑野通子が主演していて、彼女がダンスホールで踊る姿を観られる映画、しかも、舞台設定は岡田時彦も一時期住んでいた横浜・本牧…

いそいそと早起きしてシネマヴェーラにて清水宏『港の日本娘』(1933年)を観る。 こーれーはー、期待通り、いや、それ以上のかなりのモダン乙女映画! こんな可憐な少女たちが主人公の映画を清水宏が撮っていたなんて、びっくり。 舞台は異国情緒溢れるモダ…

いそいそと早起きしてシネマヴェーラにて清水宏『銀河』(1931年)を観る。 サイレントなのに188分て!な、長ーい。だもんで、途中何度か睡魔に襲われて物語の筋を見失ってしまったところもあったけれど、菊池寛ばりのメロドラマで堪能しました。火の燃え盛…

土曜日、シネマヴェーラのモーニングショーにて清水宏『風の中の子供』(1937年)。 小津安二郎『淑女は何を忘れたか』にて「とんがらかっちゃ駄目よ」コンビの葉山正雄と突貫小僧が出ている!のだけれど、この映画では何と言っても三平役の爆弾小僧が大そう…

<本日の英パン発見> 長谷川泰子『中原中也との愛 ゆきてかへらぬ』*1 椿寺の下宿は学生が多かったけど、一階には女優の葉山三千子さんが松山とかいう日活の俳優を一緒に住んでおりました。二階と一階だったんですけど、一軒の家だからすぐ仲よくなりました…

今日もフィルムセンターにて川島雄三『洲崎パラダイス 赤信号』(1956年)『銀座二十四帖』(1955年)を観る。『洲崎パラダイス』は噂で大へん混んでいると聞いていたので早めに行って、その前に大好きな利休庵にでも寄ってお蕎麦を食べてからと思い、小雨降…

シネマヴェーラの清水宏特集!いよいよ、14日から。 http://www.cinemavera.com/schedule.html 2003年のフィルムセンターでの清水宏特集の時は、運悪く日々に忙殺されていて全く通えなかったので、これは嬉しい!蒲田時代の『不壊の白珠』『銀河』『港の日本…

しつこいようですが....。 <本日の英パン発見> 内田吐夢『映画監督五十年』*1 谷崎潤一郎先生にはじめてお会いしたのは、横浜元町の大正活映のセットの中だった。それは丁度、先生の第一回作『アマチュア倶楽部』の撮影中だった。(中略)谷崎先生は、その…

<本日の英パン発見> その1: 山本嘉次郎『カツドウヤ紳士録』(大日本雄弁会講談社、1951年)に岡田時彦のことが出てくる。貧乏に喘いでいても、いかに彼が洒落男だったかが手に取るように伝わってくるくだりがおもしろい。自伝の中で「凡そ此のモダアン・…

またしても、岡田時彦のこと 岡田茉莉子が生まれたのは(1933年/昭和8年)。英パンは彼女を「魔子」と名付けたかったらしいが、周囲に反対されたらしく「繭子」とした、とのこと。「魔子」と聞いてピンと来て調べてみると、1931年に『改造』で発表された龍…

土曜日、昼、フィルムセンターにて清水宏『有りがたうさん』(1936年)、それから国立近代美術館でアンリ・カルティエ=ブレッソンの写真展を観る。ロビーに飯沢耕太郎が居た。『有りがたうさん』は倫理に貫かれた瑞々しいロードムーヴィ、じんわりと泣ける…