しっぷ・あほうい!

或る日のライブラリアンが綴るあれやこれや

2022-01-01から1年間の記事一覧

河野道代『思惟とあらわれ』を読む

河野道代のあたらしい詩集『思惟とあらわれ』(panta rhei、2022年)を読んだ。「無意味」という、つよい言葉で終わる詩集である。 これまでも「わたしの無意味」(「消失点へ向かわない線」/『花・蒸気・隔たり』)や、「なみはずれた無意味」(「珠と替え…

『EUREKA/ユリイカ』ふたたび

ことし桜が満開の頃にこの世を去った、青山真治の『ユリイカ』をテアトル新宿で観た。 ロートレアモンを読む中学生、取り調べ室に置かれたエビアン。 この映画をはじめて観た時は、こちらが若かったこともあり、こういった細部がどうも鼻についてしまって、…