しっぷ・あほうい!

或る日のライブラリアンが綴るあれやこれや

2007-03-01から1ヶ月間の記事一覧

市川崑 『足にさはった女』(東宝、1952年) それが阿部豊監督による1926年作品(我が愛しの岡田時彦が主演している!)のリメイクだから、ということでフィルムセンターでかかっている「シリーズ・日本の撮影監督2」のチラシにマル印を付けた作品。 流麗な…

ああ、京阪神にお住まいの方が羨ましい...!展示の会期内には何とか間に合うようにいそいそと切符を手配したけれど、トークショーなんてものがあるならこちらも行きたかった。(daily-sumusさんより情報いただきました) 「プラトン社 大大阪のモダニズム出版…

土曜日は、午後から図書館に籠りッ切りで『コレクション・モダン都市文化』(ゆまに書房)の棚にある分を片っ端から持ってきて、ひたすら眺めて過ごす。何しろ物凄いヴォリュームなのでなかなか読み進まない。第1巻の『銀座のモダニズム』*1 に収録されてい…

本屋でふと手に取った、齋藤愼爾編『キネマの文學誌』(深夜叢書社)*1をぱらぱらと立ち読みしていたら、尾崎翠の「映画漫想」からの抜粋で、翠の観た映画とその解説も載っていたので、ほう、と眺める。いずれも1920年代から30年代にかけての作品で、わたし…

小津安二郎『小早川家の秋』(1961年、東宝) 死と死の予感が満ち満ちている映画。 『秋日和』で司葉子を借りたお返しに、東宝で撮った1961年度作品。 この2年前に「ノンちゃん」「コンちゃん」役で知られた小津組の高橋貞二が交通事故で亡くなり、その妻も…

五所平之助『マダムと女房』(1931、松竹蒲田) 「日本映画史上初のトーキー」としてその名前だけは矢鱈に文献などで目にすることも多かったのに、どうもぼんやりとしていてフィルムセンターでの上映も何度か見逃し続けていて、ようやっと念願かなって本日、…

夕刻、早足で渋谷駅をひたすらまっすぐに通り抜けてシネマヴェーラへ。 時間ぎりぎりに間に合って、渋谷実『自由学校』『酔っぱらい天国』を観る。 『酔っぱらい天国』(1962) 「あの」笠智衆にあんなドタバタをやらせるなんてーという感じで、割と気の毒で…

週末は、目黒川沿いの遊歩道を少し入った目黒区美術館へ、お友達が出品している東京製本倶楽部展「本の国、本のかたち」を観に行く。川面に覆い被さるように枝のたわんだ桜の樹々はまだ褐色の固いつぼみにほんの少し新芽の鮮やかな緑が見えるくらいといった…

そういう訳で(?)引き続き冷めやらぬモダン都市文化への情熱といったところなのですが、今、P.C.L.時代の成瀬巳喜男が撮った『乙女ごころ三人姉妹』(1935)がモーレツに観たい。原作が川端康成『浅草の姉妹』で、音楽監督が紙恭輔で、サトウハチローが主…

bibliomaniaさんのところで知ったのですが、来たる4/2〜4/28まで大阪名品喫茶「大大阪」*1にて、アトリエ箱庭さんの小冊子dioramarquis02号(プラトン社についての特集があると知り、小林かいちの作品集とともに、首をながーくして待っていました)の発売イ…

一雨来たあとだからなのか、アスファルトから立ち上る水蒸気と土の混じり合った匂いとともに、どこからともなく沈丁花の強い香りが、いくつも襞のついた鬱陶しいマスクを通してもなお、鼻孔をくすぐってくれるのが、少し、嬉しい。沈丁花の唄で思い出すのは…

2007.03.01(thu.) Vashti Bunyan Live at Liquidroom, Ebisu, Tokyo 昨日の夜は、Vashti Bunyanのライヴをリキッドルームで観る。 1970年にリリースされた"Just Another Diamond Day"*1をはじめて聴いた時の「おお!」という新鮮な驚きは、1曲目のイントロで…