しっぷ・あほうい!

或る日のライブラリアンが綴るあれやこれや

2012-01-01から1年間の記事一覧

今日は、せっかくの土曜日だというのに冷たい雨が降っているので、大人しく家のなかに居ることとなった。ふと思い立って、"The World of Donald Evans"から、戯れに"Stein"の章を試訳してみたりしたので、ちょっと載せてみます。 "Stein" スタインは、ベルギ…

北村初雄から吉田一穂へ、吉田一穂から三富朽葉へ この二月は東京も凍てつくような寒い日が続いたので、吉田一穂を読むにはうってつけといった感覚があった。「知性の力で極限まで表現を研ぎ澄ました〈極北の詩〉を理想とする〈孤高の詩人〉」(岩波文庫『吉…

北村初雄と「海港」派のこと 扉野良人さんが中務秀子さん主宰のリトルマガジン『DECO・CHAT』のコラムに書いていたのを読んで、大正時代の横浜に「海港」派と呼ばれた詩人たちがいたことを知った。外交官だった柳澤健、山名文夫と親しかった熊田精華、そして…

年が明けてもう十日も経つけれど、わたし(たち)はまだ心のどこかで、昨年11月の対談「小沢書店をめぐって」の余韻に浸っているようだ。トークのなかで長谷川郁夫さんがちらと言及されていた「叢書エパーヴ」や「エディシオン・エパーヴ」のことが引っ掛か…