しっぷ・あほうい!

或る日のライブラリアンが綴るあれやこれや


村松桂さんの写真展「danza margine」が恵文社にて開催中だそうです。お近くの方はぜひ。
村松さんの写真をはじめて拝見したのは、昨年の空中線書局の10周年記念イヴェントにおいてだったのですが、どこか不穏で、静謐なのだけれどシンプルというのではなく、むしろ多層的な感じといえばしっくりくるでしょうか、切り取られた時間と空間の堆積が豊穣なイメージを喚起させてくれるような作品群に静かな感銘を受けました。特にヤギ?の横顔のシルエットを切り取った作品は、動物の虚ろな目がしばらく脳裏に焼きついたままで、ときどき強迫観念にも似た閃光がぱっぱっとひらめいたりしました。まったく似てはいないのだけれど、なぜかアジェの写真を思い出してしまったり。写真も素敵なのですが、ご本人も大へんチャーミングな方で、いただいた名刺(左右の糸を引っ張ってくるくると回転させると鳥籠のなかに小鳥が入っているイメジになる....!)は今まで頂だいしたどんな名刺よりすぐれて素敵だった、ということを記しておきます。