しっぷ・あほうい!

或る日のライブラリアンが綴るあれやこれや

2012-10-05から1日間の記事一覧

十月

「......彼の家の傍には、大きな樹々の並木道がございました。そこを端から端まで、往ったり来たり逍遥しながら、彼は幾時間もの間、自分の孤独極まりない身の上を思い続けたり、遐かなくさぐさの存在が、その暗がりの不気味な深みの中に、まだ何か、希望と…