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しっぷ・あほうい!

或る日のライブラリアンが綴るあれやこれや

book murmur

本の雑誌』はいつも近所の図書館か勤務先の図書館で立ち読みするくらいで買ったことはなかったのだけれど、今回の特集が「リトル・マガジンの秋!」というので、はじめて買って読む。最初のほうのページに掲載されている内堀弘さんの「リトルプレス・紀伊國屋書店・真夏の京都」をちらっと立ち読んだら、すてきな書影がたくさん載っていて「これはやっぱり買うか」となったのだ。池田時雄の出していた『ボヘミアン』という雑誌は、以前『新領土』の詩人について調べていたときに、「こんなのもありますよ」と内堀さんに教えていただいて、国会図書館でバックナンバーを通覧したことがある。書庫から出してもらったそれは、雑誌と呼ぶには驚くほどささやかなワープロの手作り小冊子だったが、夭折してしまった西崎晋やニューギニアで戦死した酒井正平の特集などもあり、モダニズムの時代を通過してきた詩人たちの生の声が伝わってくる貴重なものだった。

リトル・マガジンカタログでは、坪内祐三さんが『BOOK 5』『雲遊天下』とともに真治彩さんの『ぽかん』を選んでおられて嬉しかった。SUNNY BOY BOOKSの高橋和也さんは『ヒロイヨミ』『北と南』『アフンルパル通信』を選んでいて、3冊ともわたしにとってもなじみ深いリトル・マガジンだったので、これまた作っている人の顔を思い浮かべてにんまり。『talking about』『純粋個人雑誌 趣味と実益』『modern juice』も読んでいる。Lilmagの野中モモさんのエッセイにもにんまり。巻末の内堀さんのプロフィール欄に2014年のマイブームとして、3位に『ぽかん』が入っていてふたたび嬉しくなったが、2位に思いがけず「アパートメント食堂・なか川」が入っているのを見つけて、なぜか「あ!」と声を上げて笑ってしまった。いや、「アパートメント食堂・なか川」はいいお店ですけどね。最近行ってないけど。

今日は他に、書店の棚でぴかぴかに光り輝いていた『アイデア』367号(特集:日本オルタナ文学誌 1945-1969 戦後・活字・韻律)も一緒に買ってきたけれど、ページを開く前からひしひしと凄みが伝わってくるので、勿体なくて、というか、怖くてまだ開いていない。これは正座して読まねばならない一冊になることでしょう。