しっぷ・あほうい!

或る日のライブラリアンが綴るあれやこれや


机上の灯台


ノウゼンカズラの杏色の花は落下し、百日紅と芙蓉はまだたくさん咲いている。この前見たときはまだムラサキシキブの小さな実は色づいていなかったのに、今日はもうだいぶ薄紫色に変わっていた。


まっさおさおな高い空なので、日傘くるくるまわしながら駅前を抜けて、GALLERYみずのそらに《机上の灯台》を見にいった。昨年だったか、《旅の栞》という本の催しで知った、ヒロイヨミ社(http://hiroiyomu.blogspot.com/)の山元伸子さんが出展している。会場で山元さんの新しい印刷物『ヒロイヨミ9 特集・灯台のうた』(2011年9月3日発行)を買う。活版印刷で吉田一穂の詩――燈台(海の聖母!)――を読むのは愉しい気分。


ほかに、尾田美樹さんという方の版画コラージュがシックで素敵であった。奥のカフェに並んでいる灯台の本をあつめた中に、アルフレッド・ウォリスの画集を見つけて嬉しい。バーナード・リーチが意匠を手掛けたというウォリスのお墓の真ん中には灯台がかたどられている。いつか行ってみたいなセント・アイヴス。犬吠埼灯台の覆刻本も表紙がとてもいい。今まで漠然と灯台好きだわと思っていたのだが、本をいろいろ眺めていたら、灯台巡りをしてみたいという気持ちがふつふつとわいてくる。昨年の夏に安乗埼灯台で見た虹を思い出した。


ヒロイヨミ社は9/23〜24の「かまくらブックフェスタ」(http://d.hatena.ne.jp/kamakura_bf/)にも参加されるとのことです。