読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

しっぷ・あほうい!

或る日のライブラリアンが綴るあれやこれや

cinema book cinema book


今日のうちに記しておきたい


ポレポレ東中野にて本日より岡田茉莉子の特集上映がはじまった。今日は2008年にフィルムセンターでかかったマキノ雅弘特集上映で都合で見逃していた『やくざ囃子』を観る。鶴田浩二が陽気に歌を唄いながら軽やかに人を斬ってゆくのが、まさにマキノ以外誰もこんなことしないだろう!という、またしても、マキノ雅弘の超一流のエンタテイナーぶりに頬が緩みっぱなしの90分。それに贔屓の田中春男や河津清三郎田崎潤など『次郎長三国志』シリーズの常連組も出演しているしね。上映終了後、蓮實重彦氏のトークショーあり。岡田茉莉子が戦時中、疎開先の新潟の場末の映画館で、父・岡田時彦が主演するサイレント映画『瀧の白糸』を偶然に観て、そのことを家に帰って家族に話したところ、「あなたの見た映画は、お父さんの映画」「あなたのお父さんは、映画俳優だった、岡田時彦」という事実をはじめて母親の田鶴園子から知らされるというエピソードは何度聞いても感動的で、蓮實先生の話を聞きながら一人でじーんとする。途中で、岡田茉莉子ご本人も登場で嬉しい驚き。ああ、英パンのお嬢さんだ.....とまた目頭が熱くなる。ただならぬオーラをまとった吉田喜重監督もいらしていた。事前のチラシでは、今日はサイン会などは予定されていなかったのに、急遽トーク終了後サイン会とのことで、ええ、もちろん購入して並んでサインをいただきましたよ『女優 岡田茉莉子』(文藝春秋、2009年)*1!特集上映の初日ということで、ふと出がけに我が岡田時彦ブロマイド/チラシ・コレクション(うわー)より、溝口健二日本橋』のスチール写真をお守りのようにして本に挟んできていたのを、つい思わず「お嬢さん」岡田茉莉子にその写真をお見せしてしまうという、図々しいというか浅はかというか恥ずかしい行為に走ってしまう。でも、大へん嬉しかったんだもの、エーパンのお嬢さんにお逢いできて。あきらかにあたふたと上ずった声で「お父様について色々調べていて.....」とか何とか余計なお喋りをする私を前に、女優・岡田茉莉子は大きな瞳でにっこり微笑んで「まあ、貴重なものをお見せいただいて」とおっしゃったのです。