しっぷ・あほうい!

或る日のライブラリアンが綴るあれやこれや


『天然生活』という雑誌で、マリコさん(http://www.mitsou.org/)がわたし宛にお手紙を書いてくれたと聞いて、買って読む。「平つか」のあのクローバーと薔薇の絵葉書、文通してた頃を思い出して懐かしいね。二十代の頃、わたしは銀座の洋書屋で働いていて、マリコさんはすぐ近所の月光荘という名のすてきな画材屋で働いていたから、それこそ毎日のように会っていたのだった。それなのに、おまけに文通までしていたのだった、いやはや!マリコさんは学生時代からずーっと一本筋が通っていて、こつこつ自分の世界を築き上げて、今じゃすっかり生活系女子のお手本って感じで、わたしは友人としてほんとに凄いなあと思っています。それにひきかえ、わたしのこの何もかもが中途半端なトッ散らかりぶりったら.....(ため息)。文学は途中で投げ出して、絵を描くのも止めてしまって、映画の基本もよく知らない、古本道もままならない。ああ、いつになったら何かのエキスパートになれるのでしょうか。



さて、閑話。マキノをあきらめてでも通う!と宣言していたFCの「ジャン・ルノワール監督名作選」だったけれども、色々とイレギュラーな雑務に追われていたら、何としてもスクリーンで観たいと思っていた『河』を見逃すことになってしまってがっくり。それでも『黄金の馬車』『草の上の昼食』『水の娘』『マッチ売りの少女』『チャールストン』は何とか観られたのでまあよしとするか。そして、いよいよ24日からは「発掘された映画たち2008」(http://www.momat.go.jp/FC/NFC_Calendar/2008-05/kaisetsu.html)がはじまります!英パンの出演している映画が新たに発見されないかとドキドキしながらラインナップをじっくり見たけれど、残念なことに今回は岡田時彦出演の映画は発見されなかったよう。でも、バン・コレクションの田坂具隆監督作品、入江たか子・高田稔主演『月よりの使者』(入江プロダクション、1934年)や、佐々木康監督作品で桑野通子が出演している『悲恋華』(松竹蒲田、1936年)あたりは個人的に絶対に観たい。『月よりの使者』には、新興キネマ時代に英パンと共演したこともある中野かほるが出演しているのでその意味でも楽しみ!大好きな『茶目子の一日』、いつか観たいと思っていた大藤信郎の千代紙映画『黒ニャゴ』、二村定一が唄い岡田嘉子が出演する『神田小唄』までかかる、「レコードトーキーの復元(全16作品)」も絶対に絶対に見逃さないように今から手帖に大きく丸をつける。



私信:saraさん、ごめん。加藤泰『車夫遊侠伝 喧嘩辰』にはsaraさんの言うとおり錦ちゃんは出ていませんでした。完全に内田良平と間違えてた.....許してね。あんなに言いはってたのに(笑)『遊侠一匹』とごっちゃになってたみたい....。