しっぷ・あほうい!

或る日のライブラリアンが綴るあれやこれや

シネマヴェーラ清水宏特集!いよいよ、14日から。
http://www.cinemavera.com/schedule.html




2003年のフィルムセンターでの清水宏特集の時は、運悪く日々に忙殺されていて全く通えなかったので、これは嬉しい!蒲田時代の『不壊の白珠』『銀河』『港の日本娘』や、『風の中の子供』はきっと観たい。それにしても、出演者に八雲恵美子、高田稔、及川道子というような名前を目にすると、ああ、「またかよ」と嘆息されそうですが、我が愛しの岡田時彦の出演していた清水宏作品のフィルムが一本も残っていないなんて...。こんなこと言っても仕方がないとは思っているけれど、頭では判ってるけど、でもやっぱり言いたい、何て何て残念なこと!北村小松が脚本を書いて及川道子と共演した『恋愛第一課』(1929年)や『抱擁』(1930年)が観られたら...!



...と、未練たらしく、松竹蒲田のファン雑誌『蒲田』に掲載されている北村小松自らによる『恋愛第一課』の紹介文を引用。
英パンの主演作を書き上げた喜びと高揚感が伝わってくるようで、読んでいるこちらまで何となく嬉しくなります。

「一九三〇年型 戀愛第一課」北村小松
さて、一九三〇年型「戀愛第一課」であります。この一九三〇年型「戀愛第一課」と申しますのは、一九三〇年お正月に封切すべき岡田時彦及川道子君のコムビネーションのために、小生の書いた脚本の題名であります。岡田時彦、ーーおお何と好きな男よ!小生は彼に惚れているのであります。(中略)それで、岡田君がカマタにはひるやいなや「彼の脚本を書かせて下さい」と所長の所へ申し出たのは小生でありました。そこで私は諸君にお先して、彼の主演物の脚本を書き下ろす事になったのであります。それ何たる喜びぞや!


脚本家にまで愛されていたのね、英パン!