しっぷ・あほうい!

或る日のライブラリアンが綴るあれやこれや

memo

とある二都物語:山上の蜘蛛、あるいはボン書店の幻 モダニズム詩の光と影 海の見える瀟酒な洋館グッゲンハイム邸にて、扉野良人さん主催の「とある二都物語 山上の蜘蛛、あるいはボン書店の幻 モダニズム詩の光と影」に参加する。オープニング音楽は「かえ…

休み時間にせっせと伊達得夫に関する文章を集めている。 真理ちゃんと百合ちゃんのお父さんの仕事はふしぎな商売でした。 詩集や詩論の本は少ししか売れず、ふつう、それは商売にはなりません。他の本を出している本屋さんとか、印刷屋をしている閑な人が、…

そうそう、そして、詩とその周辺の私的読書の最後を飾る(?)素敵なイヴェントが冬至の日の神戸でありますよ!今、いちばん刊行を楽しみにしている"Donogo-o-Tonka"の版元りいぶる・とふんの主宰で、季村敏夫と内堀弘がモダニズム詩について語る、とくれば.…

「胡桃」と「どんぐり」:ふたつの木の実たち; 第37回西荻ブックマーク 2009年11月15日(日曜日) 平出隆×扉野良人師弟対談 座っているだけでなんとも絵になるお二人に、トークショーなんていう軽々しい言葉はどうもしっくり来ないのです。かと言って、重々…

素敵な催しのご案内をいただきました: アトリエ空中線十周年記念展 インディペンデント・プレスの展開 Development of an Independent Press : the first decade of Atelier Kuchusen 2009年11月13日(金)〜12月6日(日) 於・ポスターハリスギャラリー h…

11月15日、西荻で素敵なイヴェントがあるそうですよー! http://nishiogi-bookmark.org/2009/nbm37/ 平出隆『葉書でドナルド・エヴァンズに』をこよなく愛し、扉野良人編集『ドノゴトンカ』次号を心待ちにしている読者としてはこれは駆けつけないと。 2009年…

田中栞さんの『書肆ユリイカの本』(青土社)*1刊行記念トークショーに予約した。楽しみ。 「書肆ユリイカの本、人、場所」 出演 奥平晃一(田村書店店主)×郡淳一郎(元・青土社『ユリイカ』編集長、校閲者)×田中栞 日時:2009年10月5日(月)18:00開場 18…

日曜日、第33回西荻ブックマーク「『昔日の客』を読む〜大森・山王書房ものがたり〜」に参加する。ここだけの話(?)私小説にはさほど興味がなく、上林暁、尾崎一雄、木山捷平、野呂邦暢など名前しか知らず読んだこともない(うわーすみません......)のだ…

シンポジウム「尾崎翠の新世紀」はいよいよ明日からです!

今日、尾崎翠の「途上にて」(昭和六年四月)を読み返していたら、「中世紀氏」と「フロインデイン」という言葉が気になった。「中世紀氏」という言葉が気になった訳は今日は時間がないので後日述べることとして、「女ともだち」と注がついている「フロイン…

雄松堂が出版しているマイクロフィッシュ版『精選近代文芸雑誌集』シリーズ(http://yushodo.co.jp/micro/kensaku/zassi/zassi-mok2.html)は、「あ、この人がこんなところに」とか「あら、この人にこんな一面が!」などと閲覧しはじめると幾ら時間があって…

3/27, 28に駒場の日本近代文学館で開催される「尾崎翠の新世紀」(http://osakimidori.info/)シンポジウム、追加予約の受付は本日15:00からです!残席は僅かですのでお早めのご予約をお願いいたします。(追記:予約受付は終了いたしました。) 当日、来場…

美しい装丁と洒脱なセンスで他の追随を許さない「日本のガリマール」(って今勝手に名付けた)こと、みすず書房の発行している、月刊『みすず』(http://www.msz.co.jp/book/magazine/)最新号no.568(2009年1・2月号)は「読書アンケート特集」。 みすずの…

「尾崎翠の新世紀」予約受付中です!

出演者の一人である川上未映子さんの公式サイトでご紹介いただいてからというもの、もの凄い勢いで予約が来ております。まだチラシも完成していないのに.....!ご参加予定の方は、くれぐれもお早めにご予約くださいますよう、お願いいたします......! ご予…

取り急ぎお知らせ。来年三月に日本近代文学館にて開催されるシンポジウム「尾崎翠の新世紀」の公式サイト(http://osakimidori.info/)が正式オープンしています。予約の受付は来年一月から。講演に川上未映子さんと池内紀さん。パネルディスカッションに吉野…

お知らせです。待望の尾崎翠シンポジウム、2009年、TOKIOで開催! 尾崎翠の新世紀 ー第七官界への招待ーhttp://osakimidori.info/ 日時:平成21(2009)年3月27日(金)、28日(土) 会場:日本近代文学館・講堂 主催:「尾崎翠の新世紀」実行委員会、鳥取県…

お知らせ:伊藤大輔とか言っている次のエントリーに書くのもどうかと思うけど イラストレーターの福田さかえさん*1の展示"tiny shoes"が学芸大学のギャラリーtray*2で開催中。和紙を思わせる柔らかい紙に描かれたイラストはところどころ輪郭が滲むような効果…

映画メモ 岸松雄『私の映画史』(池田書店、1955年) 山中貞雄を発見した映画批評家として有名な岸松雄の自叙伝に後半「愚問愚答」と題されて『キネマ旬報』に連載された監督対談が付け加えられている楽しい本。1906年(明治三十九年)生まれのこの著者の自…

連休メモ覚え書き 13日、ずっと行きたかった横浜の元町公園にて大正活映撮影所の碑を拝みにゆく。英パンの「俳優事始め」の地。「岡田時彦」の名前がちゃんと碑に書いてあるのを確認してご満悦の図。(←阿呆ですみません) その後、横浜都市発展記念館にてこ…

土曜日、カナさんと金井美恵子+金井久美子+井口奈己トークショーをジュンク堂に見に行く。 映画監督の井口奈己が聞き手というのもあって、映画に関する話題が多かったように思う。『楽しみと日々』と今回の新刊『昔のミセス』において、成瀬巳喜男について…

久生十蘭(=阿部正雄)について語るキートン氏 「今でも名前を覚えている人で、函館中学に阿部正夫(ママ)さんという人がいましてね。この人がたいへんなお洒落でした。女性にももてたんでしょうね。遺愛女学校というミッションスクールがありまして、そこ…

今日は小津安二郎の誕生日にして命日であり、そしてもうひとつ。 ジャーン、 1930年12月12日、浅草帝国館にて英パンと栗島すみ子主演作品のナンセンス・コメディ、”紳士淑女一千一夜" ”秋季超特作本格喜劇" 『お嬢さん』の封切日!なのであります(←って別に…

アンケート「現代美男美女集」(『婦人サロン』昭和五年・第二巻、第十一号より一部引用) 「文壇の美男美女」では何と三分の一が「ささきふさ」と答えている!1930年当時、ささきふさ人気は凄かったらしい。男性は票が割れていて、大佛次郎が唯一複数票。そ…

週末お出かけメモ。 ・植草甚一/マイ・フェイヴァリット・シングス(世田谷文学館) http://setabun.jp/exhibition/uekusa/ がらくた集め、切手、マッチラベル、切り抜き、マックス・エルンストの影響を受けたコラージュ。 他愛のないものを偏愛して、役に…

11日までやっている、山形ドキュメンタリー映画際のプログラム「やまがたと映画」*1での佐藤千夜子と瀧田静枝特集を横目で「いいナア」とため息吐きながら、20日の学士会館での澤登翠35周年「活弁in学士会座」*2では斉藤寅次郎のシュールな傑作(しかも主演…

夏休み中は椅子の上に堆く積み上げられていた古本の山を整理して、映画(山中貞雄『丹下左膳余話 百萬両の壺』『人情紙風船』ニコラス・レイ『暗黒街の女』ウディ・アレン『アニー・ホール』)と美術館(東京藝術大学大学美術館「金刀比羅宮 書院の美 応挙・…

映画のあとは、東急東横線に乗って、長いことの念願かなって学芸大学のマッターホーンに行く。ああ!本当に長いことずっと行きたかったのに、ようやく行けた。鈴木信太郎画伯によるサーモンピンクの愛らしい包装紙ととぼけたような人形が描かれた缶を手に入…

土曜日、昼、フィルムセンターにて清水宏『有りがたうさん』(1936年)、それから国立近代美術館でアンリ・カルティエ=ブレッソンの写真展を観る。ロビーに飯沢耕太郎が居た。『有りがたうさん』は倫理に貫かれた瑞々しいロードムーヴィ、じんわりと泣ける…

映画保存協会「映画の里親プロジェクトPR映像」 http://www.filmpres.org/archives/138 斎藤寅次郎『モダン怪談 100,000,000円』(1929)、川浪良太、滝澤英輔、久保為義『学生三代記 昭和時代[マキノ・グラフ版]』(1930)、牛原虚彦『海浜の女王』(1927)の復元…

阪神間遊覧日記・その3 ・阪急電車に乗って芦屋へゆく 今回の旅ですっかりお気に入りとなってしまった大阪の街だけれど、何と言っても阪急電車に恋をした。 ああ、阪急電車。何て愛らしい電車なのでしょう!一目であの、小豆色にクリーム色のお屋根に、真四…

阪神間遊覧日記・その2 ・中之島界隈は私の『近代大阪』 「小津ごっこ」ができる*1ダイビルを出て、中之島界隈へ。阪神高速環状線がカーブを描く下を、堂島川と土佐堀川がゆったりと流れ、途中いくつも橋が架かっている。どっしりと構える日本銀行を背に淀屋…